Microsoftは2026年6月16日(現地時間)、ExcelのAI機能「Copilot in Excel」に2つのカスタマイズ機能を追加した。Personalization(個人設定)とWorkbook Rules(ワークブック ルール)である。これにより、ユーザーは自分の作業スタイルやチームの基準をCopilotに事前に登録し、毎回の指示を減らせるようになった。

📑目次
  1. Copilot in Excel 更新の背景と主な変更点
  2. Personalization(個人設定)の登録方法と活用例
  3. Workbook Rules(ワークブック ルール)の作成・共有手順
  4. 設定例とテーブルで比較する新旧の違い
  5. 対応バージョン・制限事項と今後の予定
  6. よくある質問(FAQ)
  7. まとめ

Copilot in Excel 更新の背景と主な変更点

従来のCopilot in Excelは、ユーザーが都度自然言語で指示を出してセル操作やグラフ作成を自動化していた。ただし、同じスタイルの指示を繰り返す手間や、チームで共有する際のルール統一が課題だった。

今回のアップデートでは、以下の2点を改善した。

  • Personalization:アカウント単位で好みの書式や命名規則を登録する
  • Workbook Rules:特定のブックに紐づくルールを保存し、共有時に引き継ぐ

これらの機能は、Impressの報道およびMicrosoft公式のTech CommunityとSupportページで詳細が公開されている。出典は窓の杜(https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/2118762.html)とMicrosoft Support(https://support.microsoft.com/en-us/excel/copilot/copilot-in-excel-personalization)である。


Personalization(個人設定)の登録方法と活用例

PersonalizationはCopilot in Excelの設定画面から登録する。一度登録すれば、どのブックを開いても適用される。

登録できる内容の例は以下の通りである。

  • セルは結合しない
  • グラフに赤を使わない
  • 通貨は常に小数点なしのドル表記
  • テーブル名には「tbl」を付ける
  • シート名は分かりやすく
  • 数式はセル範囲ではなく構造化参照で記述する
  • ピボットテーブルは太字の見出しと小計を付けた標準レイアウトを既定にする

設定手順は、ExcelのCopilotペインを開き、設定アイコンから「Personalization」を選択してルールを追加するだけだ。登録後、Copilotはこれらのルールを自動的に考慮する。

この機能はWeb版、Windows版、Mac版のExcelで一般提供されている。Microsoft 365アカウントに保存されるため、複数のデバイスで一貫した動作が期待できる。


Workbook Rules(ワークブック ルール)の作成・共有手順

Workbook Rulesは特定のブックに紐づくルールで、「.Rules」という名前のシートとしてブック内に保存される。ファイル共有時に相手にもルールが引き継がれるため、チームでの標準化に有効だ。

作成方法は2通りある。

  1. Copilotチャットの「+」ボタンからルール作成画面を開く
  2. 既存シート名を「.Rules」に変更し、A列にルールを記述する

ルールは静的だけでなく、Excelの計算エンジンを使って動的に振る舞うことも可能だ。例えば「予算超過時は警告を表示する」といった条件付きの指示も設定できる。

手本シートからルールを自動生成するテンプレート機能も用意されている。先行提供はMicrosoft 365 InsiderのWindows/Mac版で、一般提供は順次拡大予定だ。


設定例とテーブルで比較する新旧の違い

PersonalizationとWorkbook Rulesの違いを表にまとめた。

項目 Personalization(個人設定) Workbook Rules(ワークブック ルール)
適用範囲 すべてのワークブック 特定のワークブックのみ
保存場所 ユーザーアカウント ブック内の.Rulesシート
共有のしやすさ 個人用 ファイル共有時に自動引き継ぎ
動的ルール 不可 可能(Excel計算エンジン使用)
作成タイミング 設定画面から随時 ブック作成時または共有時
対象ユーザー 個人 チーム・共同編集者

出典:Microsoft Tech Community(https://techcommunity.microsoft.com/blog/excelblog/new-ways-to-customize-how-copilot-edits-your-workbooks/4527307)とImpress報道(2026年6月22日時点)。

従来は毎回「セルは結合しないで」と指示する必要があったが、Personalization登録後はその指示が不要になる。Workbook Rulesを併用すれば、チーム全体で同じルールを強制できる。


対応バージョン・制限事項と今後の予定

PersonalizationはすでにWeb、Windows、Macの一般提供版で利用可能だ。Workbook RulesはMicrosoft 365 Insider参加者向けに先行提供されており、一般提供は2026年夏以降に拡大する見込みである。

制限事項として、以下の点に注意が必要だ。

  • Workbook RulesはInsider版でのみ作成可能(一般提供前)
  • 動的ルールはExcelの計算エンジンに依存するため、複雑すぎる条件は動作が不安定になる場合がある
  • ルールは日本語・英語混在で登録可能だが、Copilotの理解精度は言語により異なる

今後の予定として、Microsoftはさらに多くのテンプレートと条件付きルールの強化を予定している。


よくある質問(FAQ)

Q: PersonalizationはどのExcelバージョンで使えますか?

Web版、Windows版、Mac版のMicrosoft 365対応Excelで一般提供されています。Microsoft 365アカウントが必要です。

Q: Workbook Rulesはどのように作成しますか?

Copilotチャットの「+」から作成するか、シート名を「.Rules」に変更してA列に記述します。Insider版で先行提供中です。

Q: 登録したルールは他のデバイスでも反映されますか?

Personalizationはアカウントに保存されるため、同一アカウントの複数デバイスで共有されます。

Q: チームでルールを共有するにはどちらを使えばよいですか?

Workbook Rulesが適しています。ブック内に保存されるため、ファイル共有時に相手にも引き継がれます。

Q: 動的ルールとは具体的にどのようなものですか?

Excelの計算エンジンを使って条件を判定し、指示内容を自動変更するルールです。例:「予算が超過したら警告を表示する」。

Q: ルールを削除または編集するにはどうすればよいですか?

Personalizationは設定画面から、Workbook Rulesは.Rulesシートを直接編集または削除します。

Q: 対応していないExcelバージョンはありますか?

古い perpetual ライセンス版や、Microsoft 365未加入の環境では利用できません。


まとめ

Copilot in ExcelのPersonalizationとWorkbook Rulesにより、AI操作の再現性とチーム共有が大幅に向上した。毎回の指示を減らし、独自のルールを強制できる点は実務での利便性が高い。対応状況を確認し、Insider版への参加を検討すると良いだろう。

出典:窓の杜(Impress)、Microsoft Tech Community、Microsoft Support(2026年6月時点)。

krona23

著者

krona23

IT業界20年以上の実務経験を持ち、日本国内有数のPVを誇る大規模Webサービスで事業部長・CTOを複数社で歴任。Windows/iOS/Android/Webと技術の変遷を経験し、現在はAIネイティブへの変革に注力。DevGENTでは、AIコードエディタ・自動化ツール・LLMの実践的な使い方を日英西3言語で発信中。

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