Claude Code の grill-me は、実装や計画書の前に、設計木の未決分岐をインタビューで潰す入口です。本体の質問ループは model-invoked の grilling にあります。コミュニティ記事でよく残る「3文・1問ずつ」は初期の説明であり、現行の既定はラウンド単位のフロンティア質問です。

📑目次
  1. grill-me・grilling・grill-with-docsの役割の違い
  2. pluginとnpx、テクノロジー経路は一つに決める
  3. ラウンド質問の進め方と推奨回答
  4. plan modeは切るか残すか
  5. 向く仕事・向かない仕事と次の手順
  6. よくある質問
  7. まとめ

曖昧な依頼のまま実装を始めると、途中で分岐が初めて露出し、手戻りが発生します。grilling は事実をコードから抽出し、決定だけをユーザーに残します。これは新しいテクノロジーを追加する話ではなく、実装前に「まだ決めていない枝」を言語化する手順です。

この順序で決めてください。

  1. 入れる経路
  2. 現行の質問形式
  3. plan mode との食い違い
  4. 止める条件

grill-me・grilling・grill-with-docsの役割の違い

入力するのはユーザー向けラッパーです。質問の中身は grilling です。リポジトリに残す場合は grill-with-docs を使います。

mattpocock/skills の README は、失敗の第一因を misalignment とし、その直し方を grilling セッションに置いています。user-invoked はオーケストレーション、model-invoked が再利用可能な規律です。user-invoked が別の user-invoked を呼んではいけません。

現行の grill-me の SKILL.md(2026-09-01 取得)は、フロントマターで disable-model-invocation: true とし、本体は Call the Skill tool with "grilling". の1行です。grilling 単体なしでは grill-me は動きません。grill-with-docs は domain-modeling も必要です。

スキル 呼び出し 書き込み 向く条件
grilling model-invoked。/grilling でも可 なし(インタビューのみ) 他スキルから呼ばれる共通ループ
grill-me user-invoked。本体は grilling を呼ぶ1行 なし。stateless リポジトリ不要、コード以外の判断も含む
grill-with-docs user-invoked CONTEXT.md と ADR 作業ディレクトリがあり、用語と決定を残したい
wayfinder user-invoked マップ上の decision ticket 1セッションに収まらない規模

出典と初期形の読み分け

出典は次の公式ファイルです(2026年9月時点)。

Skillselion や Frank The Programmer が書く「3文が本体」は、現行ファイルと一致しません。カタログのインストール数は発見シグナルであり、品質根拠にはしません。

「grilling を入れた」だけでは足りません。入口スキルと primitive が揃っているかを、最初のラウンドで確認してください。スキル本体の書き方は、Claude Code Skills の書き方|公式ルールと公開SKILL.mdから学ぶ設計 側の話です。


pluginとnpx、テクノロジー経路は一つに決める

Claude Code なら公式 marketplace の plugin、他エージェントや編集可能なコピーなら npx です。両方入れるとスキルが二重になります。ここでの判断基準は、機能の多さではなく、どの技術経路に一つに絞るかです。

公式 README の手順は次の通りです。

  1. plugin か npx を一つ選ぶ。両方は選ばない
  2. plugin: claude plugins install mattpocock-skills、またはセッション内 /plugin install mattpocock-skills
  3. 編集可能コピー: npx skills@latest add mattpocock/skills。setup-matt-pocock-skills を含める。更新は npx skills update
  4. リポジトリごとに /setup-matt-pocock-skills(issue tracker、triage ラベル、docs 配置)
  5. 個人スキルだけ欲しい場合の公式機構: ~/.claude/skills/<name>/SKILL.md(Anthropic の Claude Code Skills)

Skillsのロード境界と導入時の注意

Claude Code の Skills は、使われたときだけ SKILL.md をロードします。呼び出しは /skill-name、または description 一致の自動ロードです。bundled の /doctor などとは別物です。grill-me は Anthropic 同梱ではありません。コミュニティの SKILL.md を、公式の配置ルールに乗せる形です。

第三者の SKILL.md はプロンプト注入の観点で注意が必要です。中身を読まずにパック全体を導入しないでください。選択インストールの場合、grilling を落とさないこと。grill-with-docs を使うなら domain-modeling も落とさないでください。

次の確認は単純です。経路を一つ決め、/grill-me が grilling をロードするかを最初のラウンドで見る。配置と呼び出しの一般論は Claude Code Skills 完全ガイド にあります。


既定は1問ずつではありません。前提が揃ったフロンティア質問を1ラウンドで出し、各問に ➡️ 推奨回答を付けます。

grilling docs が示す進め方は次の通りです。

  1. 新鮮な会話で /grill-me(作業ディレクトリに残すなら /grill-with-docs)
  2. ❓ 番号付きの問と ➡️ 推奨をラウンド単位で読む
  3. 番号で答える(例: 1 yes, 2 第2案, 3 no と理由)。推奨が質問文と逆なら、推奨への可否を明示する
  4. 事実はサブエージェントが調べ、決定だけ待つ。自分で決めたことにする応答はスキル破壊です
  5. フロンティアが空でも実装しない。共有理解の確認後に止める

質問数の目安と1問ずつの戻し方

目安は公式 docs にあります。

  • grilling docs: 13問を約3ラウンド
  • grill-me docs: 46問/4ラウンドを普通のセッション
  • 200問: スコープ過大か、dumb zone
  • AI Hero: course editor で16問、複雑機能で30–50問

16問は短い側、30–50問は複雑機能の側として読んでください。質問数の上限は公式にありません。

1問ずつに戻すことは公式が許容しています。グローバル CLAUDE.md に When grilling, ask one question at a time. と書きます。opt-out の置き場所は、CLAUDE.mdの設計方法|個人・チーム・モノレポの分け方 の個人ファイル側です。/batch-grill-me は grilling に吸収済みで、別スキルはありません。

フロンティアは計算グラフではなくモデル判断です。弱いモデルは数問でアウトラインに落ちます。全部を一度に出し、推奨が無いセッションは improvisation です。最初のラウンドが番号+推奨でなければ、grilling が未ロードだと見てください。実装禁止は CLAUDE.md に足せます。


plan modeは切るか残すか

公式の grill-me docs は plan mode を切ります。計画書を急がせる姿勢が inquiry と逆だからです。Claude Code Sessions は、read-only の plan mode と相性が良いと書きます。一次は公式です。併用は検証対象です。

観点 公式 grill-me docs Claude Code Sessions 読者の取り方
plan mode 切る。計画を急がせる 併用。探索専用で実装しない 公式どおり切って試す。残すなら inquiry が崩れた時点で切る
開始 エージェントが書いた計画の上ではなく fresh 粗い plan のあと grill me 先に自分の意図を一文置き、計画書生成は後
出力 頭の中の鋭いアイデア(ファイルなし) 分岐が閉じた計画 残すなら grill-with-docs か後続 /to-spec

一次ソースと併用説の読み分け

出典は次の通りです(2026年9月時点)。

独立ソースが一致する点は、推奨回答を付けること、コードを先に読むこと、分岐を実装前に閉じることです。ずれる点は、1問ずつを本体とする記述です。これは現行のラウンド既定と、CLAUDE.md の opt-out を区別していません。

公式は「計画の上で始めない」と書いています。既存 plan を渡すと interrogation ではなく追認になりやすいです。plan mode を残すなら、計画ファイルが出た瞬間にそのセッションは失敗とみなしてください。


向く仕事・向かない仕事と次の手順

話すだけで決まる分岐には使います。見た目や感触など ungrillable な質問は prototype に回します。1行修正には過剰です。

判断基準は次の通りです。

  • 使う: 機能の分岐、ビジネス判断、文章の方針、実装前に暗黙知を言語化したいとき
  • grill-with-docs: 用語がブレ、CONTEXT.md / ADR を残したいとき
  • 止める: 「この画面の感じは?」など反応物が要る問。200問級。合意だけが続き自分の決定が無い
  • 使わない: 既に仕様が固まっている、ワンライナー、モデルが自分で決めて実装に入る

後続は任意です。同じ会話を /to-spec に渡せます。fresh にして spec からやり直さない、と grill-me docs は書いています。

次にやること:

  • plugin か npx を一つ選ぶ(両方入れない)
  • grilling が入っているか、最初のラウンドが ❓/➡️ 形式か確認する
  • 公式どおり plan mode を切って1回試す
  • 1問ずつが必要なら CLAUDE.md に opt-out を書く
  • リポジトリに残すなら grill-with-docs。残さないなら grill-me のまま
  • 共有理解の確認前に実装させない

出典:grill-me docs、grilling docs(2026年9月時点)


よくある質問

grill-meとgrillingは同じか

Q. grill-me と grilling は同じですか。

違います。grill-me は user-invoked の入口で、現行 SKILL.md は grilling を呼ぶ1行です。質問ループは grilling です。出典:grill-me SKILL.md


まだ1問ずつで進むか

Q. まだ1問ずつで進みますか。

既定はラウンドです。1問ずつは CLAUDE.md の When grilling, ask one question at a time. で戻します。出典:grilling docs


plan modeと併用すべきか

Q. Claude Code の plan mode と併用すべきですか。

公式は切ります。Sessions は併用を勧めます。一次は公式です。残すなら、計画書が出た時点で inquiry 失敗と見てください。出典:grill-me docs


pluginとnpxを両方入れてよいか

Q. plugin と npx を両方入れてよいですか。

不可です。スキルが二重になります。Claude Code は plugin、編集コピーは npx です。出典:mattpocock/skills


Anthropic公式のbundled skillか

Q. Anthropic 公式の bundled skill ですか。

ではありません。コミュニティの SKILL.md / plugin です。配置と呼び出しだけ公式 Skills 機構に乗ります。出典:Claude Code Skills


何問で終わるべきか

Q. 何問で終わるべきですか。

上限は公式にありません。目安は数ラウンドです。200問ならスコープを分割してください。終わる条件は、フロンティアが空かつ共有理解の確認です。出典:grill-me docs


関連記事:

まとめ

grill-me は実装前に設計分岐を閉じる入口です。本体は grilling のラウンド質問です。plan mode は公式では切ります。コミュニティの1問ずつ説明は opt-out 側です。採用するなら、経路・質問形式・止める条件を先に固定するテクノロジー運用にしてください。

次にやること:

  • 導入経路を一つに決める
  • 最初のラウンド形式で grilling ロードを確認する
  • 残すなら grill-with-docs、残さないなら grill-me
  • 確認前に実装させない

残る不確実性は、plan mode 併用の再現、弱いモデルの早期アウトライン化、grill-with-docs が grilling をロードしない既知の荒れです。公式ファイルを一次にし、コミュニティの初期形は履歴として読んでください。

krona23

著者

krona23

IT業界20年以上の実務経験を持ち、日本国内有数のPVを誇る大規模Webサービスで事業部長・CTOを複数社で歴任。Windows/iOS/Android/Webと技術の変遷を経験し、現在はAIネイティブへの変革に注力。DevGENTでは、AIコードエディタ・自動化ツール・LLMの実践的な使い方を日英西3言語で発信中。

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