Claude Codeのスキル機能は、特定のワークフローをMarkdownファイルで定義し、Claude Codeに繰り返し実行させる仕組みです。SLO(Service Level Objective)違反の調査では、LatencyやAvailabilityの低下をNew Relicで検知した後、原因を特定する作業が繰り返し発生します。UzabaseのPlatform Engineeringチームは、この調査をスキルで自動化し、1件あたり7分で根本原因を特定できるようにしました。出典はUzabase tech blog(2026年6月)およびClaude Code Skills公式ドキュメント(https://code.claude.com/docs/ja/skills)です。
📑目次
Claude Code Skillsの概要とSLOモニタリングの重要性
Claude Codeのスキルは、開発者が日常的に行う調査や運用タスクを再利用可能な指示セットとして保存する機能です。SLOモニタリングでは、LatencyやAvailabilityの閾値を超えた場合にNew RelicからSlack通知が届きます。この通知を起点に原因を特定する作業は、従来手作業で多くの時間を要していました。Uzabaseチームは、スキルを使ってこのフローを自動化することで、調査の再現性を高め、チーム全体の負担を軽減しました。公式ドキュメントによると、スキルはMarkdown形式で記述でき、Claude Codeがそれを解釈して順次実行します。これにより、属人化しがちな運用ナレッジを形式知として蓄積できます。
従来のSLO違反調査フローの課題
従来の調査では、Slack通知からエンドポイントを特定し、New Relicダッシュボードを複数往復しながらメトリクスを確認していました。1回のMTGで1.5〜4人時を要し、週に複数件扱うと負担が積み重なります。N+1問題のようなクエリパターンを見逃すリスクもあり、属人的な判断に依存していました。手動の往復作業は確認漏れを招きやすく、調査の再現性が低い点が課題でした。属人化により、チームメンバーの異動や休暇時に知識が失われやすい状況も生じていました。複数のダッシュボードを横断する作業は、集中力を要し、疲労によるミスも発生しやすい環境でした。出典はUzabase tech blog(2026年6月)です。
スキル化のための5つのルール設計
スキル化のルールは5つにまとめられます。まず推測を禁止し、仮説を出力してから行動します。次にトークン制限を2Kに設定して無限ループを防ぎます。3回失敗したら早期終了し、辿り道を記録して再現性を高めます。最後にメモリ機能で過去の調査結果を蓄積します。これらのルールはClaude Code公式Skillsドキュメントに基づいて設計されました。推測禁止により、未検証の仮説が原因特定を遅らせるのを防げます。トークン制限は経験的に仮説が整う目安として設定され、無駄なループを避けられます。早期終了ルールは、3回の失敗で一旦停止し、人間が介入する機会を確保します。メモリ機能は過去のNRQLクエリや調査結果を保存し、次回以降の精度を向上させます。出典はClaude Code Skills公式ドキュメント(https://code.claude.com/docs/ja/skills)です。
実際の活用事例:N+1問題の自動調査
実際の事例では、動画検索APIのN+1問題を調査しました。明示的な問題3箇所と暗黙的な問題8箇所を、NRQLクエリ7本で体系的に検出しました。Transaction、Datastore Metric、JMX ThreadPool、HikariCP、ECS Eventなどのメトリクスを組み合わせ、25分で設計書まで完成させました。出典はUzabase tech blog(2026年6月)およびNew Relic NRQL公式ドキュメント(https://docs.newrelic.com/jp/docs/nrql/nrql-syntax-clauses-functions/)です。明示的な問題はコードに直接現れるもので、暗黙的な問題はメトリクスの異常から推測されるものです。7本のクエリは、異なるレイヤーのメトリクスを横断的に照合するように設計されています。スキルに組み込むことで、毎回の調査で同じ手順を繰り返せます。
調査で使用したメトリクスとNRQLクエリ
調査で使用したNRQLクエリは、New Relic公式ドキュメントの構文を参考にしています。Transactionイベントでレスポンスタイムを、Datastore Metricでクエリ実行時間を、JMXでスレッドプール状況を確認します。これにより、属人化していた確認作業を一括で実行できます。クエリをスキルに組み込むことで、毎回の調査で同じ手順を繰り返せます。Transactionイベントはリクエスト全体のレイテンシを、Datastore Metricはデータベースクエリの実行時間を、JMXはスレッドプールの状態を可視化します。HikariCPやECS Eventを加えることで、接続プールやコンテナレベルの異常も捉えられます。出典はNew Relic NRQL公式ドキュメントです。
スキル作成の効果と所要時間短縮
スキル導入後の効果は明確です。調査時間が7分に短縮され、メトリクス確認がNRQL 7本で完結します。N+1問題の発見精度も向上し、ナレッジはメモリやNotionに蓄積されます。Uzabaseチームは、LatencyとAvailabilityの調査をサブスキルに分割することで精度をさらに高めています。所要時間の短縮は、MTGの負担軽減に直結します。7分という短時間で根本原因まで特定できるため、オンコール対応の負荷も軽減されます。精度向上により、誤った対策提案のリスクも低下します。出典はUzabase tech blog(2026年6月)です。
さらに工夫するポイント(サブスキル分割など)
さらに工夫するポイントとして、サブスキルへの委譲があります。調査パターンが異なる場合、別々のスキルに分けることで、トークン消費を抑えつつ正確な結果を得られます。社内ではNotionやClaude Codeメモリにスキルを集約し、チーム全体で共有しています。共有により、属人化を避けられます。サブスキル分割は、Latency調査とAvailability調査で求められるメトリクスが異なる点に着目したものです。共有されたスキルは、チームメンバーが個別に再現できる形で保存されます。出典はUzabase tech blog(2026年6月)です。
まとめとナレッジ共有のすすめ
まとめると、Claude CodeスキルはSLO違反調査の再現性と速度を向上させます。公式ドキュメントとNew Relic NRQLの組み合わせが鍵です。読者の皆さんも、まずは簡単なワークフローからスキル化を試してみてください。まずは小規模な調査フローから始め、再現性を確認しながら拡張することをおすすめします。スキル導入により、調査の属人化を防ぎ、チーム全体の運用品質を高められます。まずは1つのシンプルな調査パターンからスキルを作成し、効果を測定しながら他のパターンへ展開してください。出典はClaude Code Skills公式ドキュメントおよびNew Relic公式ドキュメントです。
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よくある質問(FAQ)
比較表:従来調査 vs スキル自動化
| 項目 | 従来 | スキル使用後 |
|---|---|---|
| 調査時間 | 1.5-4人時/件 | 7分で根本原因特定 |
| メトリクス確認 | 手動ダッシュボード往復 | NRQL 7本で一括照合 |
| N+1発見 | 属人的・見逃しリスク | 明示的+暗黙的を体系的に検出 |
| ナレッジ蓄積 | 属人化 | メモリ/ドキュメント共有 |
出典: Uzabase tech blog(2026年6月)、Claude Code Skills公式ドキュメント(https://code.claude.com/docs/ja/skills)、New Relic NRQL公式ドキュメント(https://docs.newrelic.com/jp/docs/nrql/nrql-syntax-clauses-functions/)。
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著者
krona23
IT業界20年以上の実務経験を持ち、日本国内有数のPVを誇る大規模Webサービスで事業部長・CTOを複数社で歴任。Windows/iOS/Android/Webと技術の変遷を経験し、現在はAIネイティブへの変革に注力。DevGENTでは、AIコードエディタ・自動化ツール・LLMの実践的な使い方を日英西3言語で発信中。















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