筆者は両方のツールを実務で使い込んできました。n8n Dify 比較の結論から言うと、エンジニアなら n8n が断然おすすめです。プラグインに頼らなくても主要なサービスが標準でサポートされており、JavaScript で細かく制御できる柔軟性が魅力です。一方、非エンジニアのチームメンバーには Dify の方が圧倒的に使いやすい。ただし Dify はプラグイン前提の部分もあり、適切なプラグインの選定は非エンジニアには難しいケースがある——その点はエンジニアのサポートがあった方がスムーズです。

📑目次
  1. n8n Dify 比較 — 基本情報【2026年版】
  2. 機能比較 — それぞれの得意分野【2026年版】
  3. 料金プラン比較【2026年版】
  4. どちらを選ぶべき?用途別おすすめ
  5. 関連記事
  6. よくある質問(FAQ)
  7. まとめ

本記事では、n8n(業務フローの神経系)と Dify(AI アプリの)を、筆者の実体験をもとに機能・料金・ユースケースで徹底比較します。

n8n Dify 比較 — 基本情報【2026年版】

まずは両ツールの基本プロフィールを一覧で確認しましょう。設計思想が根本的に異なるため、比較する軸を押さえることが重要です。

項目 n8n Dify
一言で表すと 業務自動化の神経系 AIアプリ開発の脳
設計思想 ワークフロー自動化(iPaaS) LLMアプリ開発プラットフォーム
主な用途 SaaS連携・データ同期・通知自動化 チャットボット・RAG・AIエージェント
連携数 400+ ノード(外部サービス直結) LLMプロバイダ 15+、ツール連携は API 経由
AI対応 AI Agent ノード・LangChain 統合 ネイティブ LLM オーケストレーション
プログラミング要否 基本ノーコード(JS/Python も可) 完全ノーコード(API 設定のみ)
セルフホスト Docker / npm(無料・無制限) Docker Compose(無料・無制限)
GitHub Stars 55,000+ 60,000+
公式サイト n8n.io dify.ai

出典:n8n.io, dify.ai 公式サイト(2026年3月時点)

この表からわかるように、n8n は「あらゆるサービスをつなぐ」こと、Dify は「LLM を中心にしたアプリを作る」ことに特化しています。同じノーコードツールでも、目指すゴールが根本から異なるのです。

機能比較 — それぞれの得意分野【2026年版】

ここからは具体的な機能レベルで両ツールの強みと弱みを掘り下げます。業務自動化とAIアプリ開発、それぞれの視点で見ていきましょう。

n8n が得意なこと

① 400+ の SaaS 連携

Slack、Google Sheets、Salesforce、HubSpot など主要 SaaS と直結。ノードを配置するだけで複雑なデータ連携が完成します。

② 高度な分岐・エラー処理

IF/Switch ノード、エラートリガー、リトライ設定で本番運用に耐える堅牢なワークフローを構築できます。

③ Webhook & スケジュール

外部からの Webhook トリガーや Cron ベースのスケジュール実行を標準サポート。イベント駆動型の自動化に最適です。

④ コードノードの柔軟性

JavaScript / Python をノード内に書けるため、ノーコードでは対応しきれない複雑なデータ加工も 1 つのフロー内で完結します。

⑤ AI Agent ノード

2025年以降 LangChain ベースの AI Agent ノードが追加。ワークフロー内に LLM 呼び出しを組み込み、業務AI自動化ツールとしての活用幅が広がっています。

Dify が得意なこと

① RAG(検索拡張生成)

PDF・Web・Notion などのドキュメントを取り込み、ベクトル検索で LLM に知識を与えます。社内ナレッジボットの構築が数分で可能です。

② マルチモデル対応

OpenAI、Anthropic、Google、Mistral など 15 以上のプロバイダを切り替え可能。コスト・精度に応じてモデルを選択できます。

③ プロンプト IDE

プロンプトの編集・テスト・バージョン管理を GUI で完結。チーム内でのプロンプトの共有・改善サイクルが高速化します。

④ チャット UI の自動生成

アプリを作成するだけで公開可能なチャットインターフェースが生成されます。Embed 用のコードも自動出力されるため、Web サイトへの埋め込みも簡単です。

⑤ エージェントモード

ツール呼び出し(Function Calling)や ReAct フレームワークで、LLM が自律的にタスクを遂行する AI エージェントを構築できます。MCP と CLI のエージェント比較で紹介しているような高度なエージェント設計にも対応しています。

⑥ ワークフロー(Chatflow)

2025年に追加されたワークフロー機能で、条件分岐やループを持つ複雑な AI パイプラインをビジュアルに構築可能。n8n に近いフロー設計が Dify 上でも実現できます。

弱点の比較

どちらのツールにも苦手な領域があります。選定の前に弱点も把握しておきましょう。

弱点の領域 n8n Dify
LLM ネイティブ統合 AI ノードはあるが、RAG やプロンプト管理は Dify に劣る ネイティブ対応 ◎
SaaS 直結数 400+ ノードで圧倒的 API 手動設定が必要、プリセット連携は少ない
チャット UI 標準では提供なし(外部構築が必要) 自動生成 ◎
学習コスト ノード数が多く、複雑なフローは学習に時間がかかる AI 概念(RAG / Embedding)の理解が前提
非 AI ワークフロー 本領発揮 ◎ AI 以外の自動化には向かない

出典:n8n.io, dify.ai 公式サイト(2026年3月時点)

⚠️ 選定時の注意点

  • n8n の AI 機能は急速に進化中ですが、Dify の RAG・プロンプト管理の成熟度にはまだ追いついていません
  • Dify のワークフロー機能も改善中ですが、n8n の 400+ SaaS 連携の幅広さは別次元です
  • セルフホストする場合、どちらも Docker の基本知識が必要です

料金プラン比較【2026年版】

コストは導入判断の大きな要素です。両ツールとも無料プランとセルフホストを提供していますが、クラウド版の料金体系は異なります。

n8n の料金プラン

プラン 月額(税抜) 実行数 / 月 主な特徴
Community(セルフホスト) 無料 無制限 全機能利用可・サポートなし
Starter $20 2,500 基本的なクラウド利用向け
Pro $50 10,000 チーム利用・共有ワークフロー
Enterprise 要問合せ カスタム SSO・監査ログ・専用サポート

出典:n8n 料金ページ(2026年3月時点)

💡 ポイント ― n8n のコスト感

n8n はセルフホストであれば完全無料で全機能を使えます。VPS(月額 $5〜10 程度)さえあれば、実行数に制限なく業務自動化を運用できる点が最大の強みです。

Dify の料金プラン

プラン 月額(税抜) メッセージ数 / 月 主な特徴
Sandbox(無料) 無料 200 個人検証・GPT-4o mini 等
Professional $59 5,000 チーム利用・優先キュー
Team $159 10,000 複数ワークスペース・アナリティクス
Enterprise 要問合せ カスタム SSO・SLA・専用インフラ

出典:Dify 料金ページ(2026年3月時点)

💡 ポイント ― Dify のコスト感

Dify もセルフホストは無料ですが、LLM の API コスト(OpenAI や Anthropic への支払い)は別途発生します。クラウド版は Dify 独自のクレジットでメッセージ数をカウントする仕組みです。

どちらを選ぶべき?用途別おすすめ

筆者の経験から言える n8n Dify 比較の結論は明確です。エンジニアが細かい制御をしたいなら n8n、非エンジニアが AI アプリを作りたいなら Dify。ただし、Dify のプラグイン選定で迷う場面があるため、チームにエンジニアがいるなら支援体制を組むのがおすすめです。

n8n を選ぶべきケース

🏆 n8n がベスト ― 業務フロー自動化

以下に当てはまるなら、n8n が最適です:

  • 複数の SaaS を連携させたい(CRM → Slack → Google Sheets など)
  • 定型業務の自動化が主目的(請求書処理、通知、データ同期)
  • Webhook ベースのイベント駆動型ワークフローが必要
  • AI は補助的に使いたい(メール要約、分類など)
  • コスト重視でセルフホスト運用したい

Dify を選ぶべきケース

🏆 Dify がベスト ― AI アプリ開発

以下に当てはまるなら、Dify が最適です:

  • 社内ナレッジボットやカスタマーサポート AI を構築したい
  • RAG(独自データ + LLM)を活用した検索・回答システムが必要
  • 複数の LLM を切り替えてコスト最適化したい
  • 非エンジニアがプロンプトの改善サイクルを回したい
  • チャット UI をすぐに公開したい(Web 埋め込み・API 提供)

n8n + Dify の併用がベストなケース

🚀 併用パターン ― 最強の組み合わせ

実は、n8n と Dify は競合ではなく補完関係にあります。以下のような構成が特に効果的です:

  • n8n でデータ収集・整形Dify の RAG に投入(ナレッジベースの自動更新)
  • Dify で AI 回答を生成n8n で後続処理(Slack 通知、DB 書き込み、承認フロー)
  • n8n の WebhookDify API 呼び出しn8n で結果をルーティング

n8n が「神経系」として外部システムとつなぎ、Dify が「脳」として AI 推論を担当する。この組み合わせが 2026 年の業務 AI 自動化における最適解の一つです。

関連記事

n8n と Dify の比較をさらに深く理解するために、以下の関連記事もご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. n8n と Dify はどちらが初心者向けですか?

目的によります。業務自動化が目的なら n8n のほうがテンプレートが豊富で始めやすいです。AI チャットボットを作りたいなら Dify のほうが直感的で、数クリックでプロトタイプが完成します。どちらもノーコードですが、n8n はフロー設計、Dify は AI の基礎知識が必要です。

Q. n8n で RAG(検索拡張生成)は実現できますか?

可能ですが、自前で構築する必要があります。n8n の AI Agent ノードと Vector Store ノードを組み合わせれば RAG パイプラインを作れますが、Dify のようなビルトインの RAG 機能(チャンク分割・ベクトルDB管理・リトリーバル設定)に比べると手間がかかります。RAG がメインの用途なら Dify を選ぶのが効率的です。

Q. Dify で SaaS 連携(Slack 通知、Google Sheets 書き込みなど)はできますか?

Dify 単体では限定的です。API ツール機能で外部 API を呼び出せますが、n8n のように専用ノードで簡単に設定できるわけではありません。SaaS 連携が多い場合は、Dify の出力を n8n で受け取って後続処理する併用パターンが効果的です。

Q. セルフホストのハードウェア要件はどの程度ですか?

n8n は軽量で、2GB RAM / 1 vCPU の VPS でも動作します(月額 $5 程度)。Dify は RAG のベクトル DB を含むため、最低 4GB RAM / 2 vCPU を推奨します(月額 $10〜20 程度)。どちらも Docker Compose で数分でデプロイ可能です。

Q. n8n と Dify を連携させるにはどうすればいいですか?

最もシンプルな方法は、n8n の HTTP Request ノードから Dify の API を呼び出すことです。Dify で作成したアプリには API エンドポイントが自動生成されるため、n8n から POST リクエストを送り、AI の回答を受け取ってその後の処理(Slack 通知、DB 保存など)を n8n で行う構成が一般的です。

Q. Make(旧 Integromat)や Zapier と比べて n8n の優位性は?

n8n の最大の強みはセルフホストで無制限に利用できる点です。Make や Zapier はクラウド専用で、実行数に応じた従量課金が発生します。また n8n はオープンソースのため、カスタムノードの開発や社内環境への最適化が可能です。一方で、Make / Zapier は設定の簡単さとサポート体制で優れている面もあります。

Q. 2026年時点で、どちらのツールの将来性が高いですか?

どちらも急成長中で、将来性は高いと言えます。n8n は AI 機能を急速に強化しており、LangChain 統合や AI Agent ノードの進化が目覚ましいです。Dify はワークフロー機能を拡充し、単なる AI アプリ開発から業務プロセス全体のオーケストレーションへ領域を広げています。両者が互いの得意分野に歩み寄る傾向にありますが、コアの強みは当面変わらないでしょう。

まとめ

筆者の結論 — エンジニアは n8n、非エンジニアは Dify、チームなら併用

エンジニアの筆者としては、プラグイン不要で主要サービスを制御できる n8n の方が好みです。しかし非エンジニアのメンバーには Dify の方が直感的で使いやすい。チーム全体で AI を活用するなら、n8n で業務フロー連携、Dify で AI アプリ開発という併用が最強の構成です。

Dify のプラグイン選定で困ったらエンジニアのサポートを受けましょう。まずは無料のセルフホストで両方を試してみてください。

krona23

著者

krona23

IT業界20年以上の実務経験を持ち、日本国内有数のPVを誇る大規模Webサービスで事業部長・CTOを複数社で歴任。Windows/iOS/Android/Webと技術の変遷を経験し、現在はAIネイティブへの変革に注力。DevGENTでは、AIコードエディタ・自動化ツール・LLMの実践的な使い方を日英西3言語で発信中。

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