「OpenClaw のインストールは終わったけど、次に何をすればいいの?」——筆者もまさにそう感じた一人だ。OpenClaw 設定は、インストールしただけでは何も始まらない。API キーの取得、チャンネル接続、エージェント構築と、やるべきことは意外と多い。
📑目次
筆者は公式ドキュメントを参考にしながら、まず Slack に接続し、エージェントの構築を行った。最初は戸惑ったが、手順を踏めば 1 時間もかからずに OpenClaw が実際に動き始めた。
本記事では、インストール後にやるべき初期設定と基本的な使い方を、6 つのステップで順番に解説する。この記事の手順に沿えば、OpenClaw をスムーズに使い始められるはずだ。
OpenClaw 設定 — インストール後のロードマップ
まずは全体像を把握しよう。OpenClaw のインストール後にやるべきことを、6 つのステップにまとめた。上から順に進めれば OK だ。
| ステップ | やること | 所要時間 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 1 | API キーの取得と環境変数の設定 | 5〜10分 | 低 |
| 2 | openclaw onboard で初期セットアップ |
5分 | 低 |
| 3 | チャンネル接続(Slack / Discord / Telegram / Teams) | 10〜30分 | 中 |
| 4 | エージェントの構築(SOUL.md / MEMORY.md) | 15〜30分 | 中 |
| 5 | 基本コマンドの習得 | 10分 | 低 |
| 6 | セキュリティ設定の確認 | 10分 | 中 |
出典:OpenClaw 公式ドキュメント — Getting Started
合計すると 1 時間程度で完了する。筆者の場合は、Slack 接続に少し時間がかかったが、それでも 1 時間以内に全ステップを終えられた。では、順番に見ていこう。
ステップ1 — API キーの取得と環境変数の設定
OpenClaw を動かすには、LLM プロバイダーの API キーが最低 1 つ必要だ。OpenClaw 自体は無料だが、接続先の LLM の利用料(従量課金)は発生する。
対応する LLM プロバイダー
| プロバイダー | 環境変数名 | 備考 |
|---|---|---|
| Anthropic(推奨) | ANTHROPIC_API_KEY |
pay-as-you-go のみ。Claude Pro/Max の OAuth トークンは使用不可 |
| OpenAI | OPENAI_API_KEY |
GPT-5.4 / GPT-5.4 等が利用可能 |
| Google AI | GOOGLE_AI_API_KEY |
Gemini モデルが利用可能 |
⚠️ Claude Pro / Max の契約では API キーは使えない
- Claude Pro や Max のサブスクリプションと API キーは別物だ
- Anthropic は、サードパーティツールでの OAuth トークン使用を禁止している
- OpenClaw で Claude を使う場合は、別途 pay-as-you-go の API キーを発行する必要がある
API キーの設定方法
API キーの設定は、次のステップで紹介する openclaw onboard で対話式に行うのが最も簡単だ。手動で設定したい場合は、~/.openclaw/.env ファイルに直接記述することもできる。
# ~/.openclaw/.env
ANTHROPIC_API_KEY=sk-ant-xxxxxxxxxxxxx
設定後は openclaw doctor を実行して、API キーが正しく認識されているか確認しよう。
ステップ2 — openclaw onboard で初期セットアップ
API キーを用意したら、次は openclaw onboard コマンドを実行しよう。対話式のウィザードが起動し、必要な初期設定を一括で行える。
onboard ウィザードで設定される項目
① API キー設定
Anthropic / OpenAI / Google AI の API キーを対話式に入力。キーの有効性もその場で検証される。
② チャンネル選択
Slack / Discord / Telegram / Teams のうち、接続するチャンネルを選択。後から追加も可能。
③ デーモン登録
--install-daemon オプションで、macOS は launchd、Linux は systemd に常駐サービスとして登録。
④ セキュリティ設定
ゲートウェイのバインドアドレスが 127.0.0.1 であることを確認。外部公開しない設定がデフォルト。
onboard の実行手順
# 基本的な初期セットアップ
openclaw onboard
# デーモンも同時に登録する場合
openclaw onboard --install-daemon
ウィザードが完了したら、openclaw dashboard を実行してブラウザで Web UI(http://127.0.0.1:18789/)にアクセスしてみよう。ダッシュボードが正常に表示されれば、基本的なセットアップは成功だ。
⚠️ Node.js のバージョンに注意
- OpenClaw は Node.js 22.19以上 / 23.11以上 / 24以上のいずれかが必須(公式は 24 系を推奨)。古いバージョンではインストールや起動に失敗する
node -vで確認し、古い場合はnvm install 24等でアップデートしよう
ステップ3 — チャンネルへの接続
OpenClaw の真価は、普段使っているメッセージングツールと接続したときに発揮される。Slack、Discord、Telegram、Microsoft Teams に対応しており、筆者はまず Slack 接続から始めた。
Slack に接続する(筆者おすすめ)
筆者がまず最初に行ったのが Slack 接続だ。Slack は API の設計が明確で、設定手順もドキュメントが充実している。以下が手順の全体像になる。
なお現在は、Slack チャンネルも公式プラグインとして提供されており、設定前に openclaw plugins install @openclaw/slack でプラグインを有効化しておく必要がある。Slack アプリの作成も、手動でスコープを一つずつ追加する代わりに、公式ドキュメントが配布しているマニフェスト(JSON)を「Create New App」→「From a manifest」で貼り付ける方法が推奨されている。
| 順序 | 作業内容 | 詳細 |
|---|---|---|
| 1 | Slack アプリ作成 | api.slack.com/apps で新規アプリを作成 |
| 2 | Bot Token Scopes 設定 | chat:write、app_mentions:read、im:history を追加 |
| 3 | ワークスペースにインストール | Bot User OAuth Token(xoxb-...)をコピー |
| 4 | Socket Mode 有効化 | App-Level Token(xapp-...)を生成 |
| 5 | Event Subscriptions 登録 | app_mention と message.im を購読 |
| 6 | OpenClaw に設定 | openclaw config set channels.slack.botToken "xoxb-..." |
| 7 | 動作確認 | openclaw restart → Slack で @OpenClaw hello を送信 |
出典:OpenClaw 公式ドキュメント — Slack Channel
筆者の場合、手順 2 の Bot Token Scopes の設定で少し迷ったが、上記の 3 つのスコープを追加すれば基本的な応答は問題なく動作した。チャンネルで @OpenClaw hello と送信し、返答が返ってきた瞬間はちょっと感動した。
Discord に接続する
Discord への接続も比較的シンプルだ。Discord Developer Portal でボットを作成し、トークンを取得する。
- Discord Developer Portal で新しいアプリケーションを作成
- Bot セクションでトークンを生成・コピー
- Privileged Gateway Intents で「Message Content Intent」(必須)と「Server Members Intent」(ロール許可リストや名前解決に必要、推奨)を有効化
openclaw.jsonのchannels.discordにenabled: trueとtokenを設定- DM ポリシーは
pairing(デフォルト)が安全。グループポリシーはallowlistで指定チャンネルのみ許可
出典:OpenClaw 公式ドキュメント — Discord Channel
Telegram に接続する
Telegram は @BotFather を使ってボットを作成する。
- Telegram で
@BotFatherに/newbotを送信 → ボット名を入力 → トークンを取得 openclaw.jsonのchannels.telegramにトークンを設定- 内部的に grammY フレームワークを使用しており、Webhook / ポーリングの両方に対応
出典:OpenClaw 公式ドキュメント — Telegram Channel
Microsoft Teams に接続する
Teams への接続は他のチャンネルより設定が複雑で、企業環境向けだ。現在は Teams プラグインが多くのビルドに標準同梱されており、通常は openclaw plugins install @openclaw/msteams の個別インストールは不要になっている(同梱されていない古いビルドやカスタムインストールの場合のみ実行する)。
- 公式ツール
@microsoft/teams.cli(npm install -g @microsoft/teams.cli@preview)を使うと、ボット登録・マニフェスト作成・資格情報生成を一括で行える - Teams はローカルホストに到達できないため、
devtunnel(または ngrok・Tailscale Funnel)でトンネルを張り、ポート 3978 のメッセージングエンドポイントを公開する - Azure Bot Resource(App ID・Client Secret・Tenant ID)は上記ツールの流れの中で自動生成される
- Azure AD の管理者権限が必要な場合があるため、IT 部門との連携が望ましい
出典:OpenClaw 公式ドキュメント — Microsoft Teams Channel
💡 筆者のおすすめ — まずは Slack から
4 つのチャンネルの中で、Slack が最も設定が簡単で、ドキュメントも充実している。筆者もまず Slack に接続して動作を確認し、その後 Discord も追加した。複数のチャンネルを同時に接続して運用することも可能なので、最初は使い慣れたツールから始めるのがおすすめだ。
なお、対応チャンネルは本記事執筆時点よりさらに拡張されており、Telegram・iMessage は追加インストール不要でコアに同梱、Slack・Discord・Teams に加えて WhatsApp・Signal・Matrix・LINE・Feishu・Google Chat・IRC・SMS など多数が公式プラグインとして提供されている(詳細は公式ドキュメントの Channels 一覧を参照)。まず 1 つだけ試したい場合は、ボットトークンだけで完結する Telegram が最も手早い。
なお、Claude 自体にも「Channels」というチーム連携機能が登場している。OpenClaw のチャンネル接続とは異なるアプローチだが、AI エージェントをチームで活用したい場合の選択肢として比較検討する価値がある。詳しくは「Claude 自律エージェント全機能解説(Dispatch・Computer Use・Loop・Channels)」を参照。
ステップ4 — エージェントの構築
チャンネル接続が完了したら、いよいよエージェントを構築する。エージェントとは、OpenClaw 上で動く AI アシスタントの「分身」のようなもので、SOUL.md ファイルを使って人格や振る舞いを定義する。
エージェントの作成手順
# エージェントのディレクトリを作成
openclaw agents add my-assistant
# 作成されるファイル構成
~/.openclaw/agents/my-assistant/
├── SOUL.md # エージェントの人格・ミッション・指示
├── MEMORY.md # 長期記憶(事実ベース)
├── HEARTBEAT.md # 定期的な自律思考
└── CRON.md # スケジュール実行
SOUL.md — エージェントの核心
SOUL.md はエージェントの人格・ミッション・行動ルールを定義するファイルだ。日本語で書くだけなので、プログラミングの知識は不要。以下はシンプルな例だ。
# SOUL.md
あなたは私の個人アシスタントです。
## ミッション
- 質問には簡潔に回答する
- 日本語で応答する
- わからないことは「わからない」と正直に伝える
## 禁止事項
- ファイルの削除や変更は行わない
- 個人情報を外部に送信しない
MEMORY.md — 長期記憶
MEMORY.md には、エージェントに覚えておいてほしい事実を記述する。「覚えておいて」と会話で伝えることで、自動的に書き込まれることもある。
スキル(ClawHub)の追加
ClawHub には多数のスキル(プラグイン)が公開されている。GitHub 連携やブラウザ操作など、エージェントの能力を拡張できる。
# スキルの検索・インストール例(オーナー名を含む slug 形式)
openclaw skills search "calendar"
openclaw skills install @openclaw/demo
エージェント構築の詳細な設定方法や、SOUL.md の書き方のコツについては、OpenClaw で日々のタスクを自動化する方法で詳しく解説している。
出典:OpenClaw 公式ドキュメント — OpenClaw Configuration
ステップ5 — 基本コマンドの習得
OpenClaw を日常的に使ううえで知っておきたいコマンドを一覧にまとめた。すべてを暗記する必要はないが、最初の 5 つは特に頻繁に使う。
| コマンド | 用途 | 使用頻度 |
|---|---|---|
openclaw onboard |
初期セットアップウィザードの実行 | 初回のみ |
openclaw doctor |
環境・API キーのヘルスチェック | ★★★ |
openclaw gateway start |
ゲートウェイの起動 | ★★★ |
openclaw gateway restart |
設定変更後の再起動 | ★★☆ |
openclaw dashboard |
Web UI をブラウザで開く | ★★★ |
openclaw status --all |
全チャンネルの接続状態を確認 | ★★☆ |
openclaw logs --follow |
リアルタイムログの表示 | ★★☆ |
openclaw agent --agent <name> --message "..." |
エージェントにメッセージを送信 | ★★★ |
openclaw cron list --all |
定期タスクの一覧表示 | ★☆☆ |
openclaw config set <key> <value> |
設定値の変更 | ★★☆ |
openclaw plugins install <pkg> |
プラグインのインストール | ★☆☆ |
出典:OpenClaw 公式ドキュメント — CLI Reference
筆者が最もよく使うのは openclaw doctor と openclaw dashboard だ。設定を変更したあとは必ず doctor でヘルスチェックを行い、dashboard で動作状態を視覚的に確認している。
ステップ6 — セキュリティ設定の確認
OpenClaw は強力なツールだからこそ、セキュリティ設定を疎かにしてはいけない。インストール後に必ず確認すべき 3 つのポイントを解説する。
openclaw doctor でヘルスチェック
まずは openclaw doctor を実行しよう。このコマンドは、危険な設定がないかを自動で検出してくれる。警告が出た場合は、指示に従って修正する。
# セキュリティ診断の実行
openclaw doctor
DM ポリシーの確認
DM ポリシーは、OpenClaw が誰からのメッセージに応答するかを制御する設定だ。
| ポリシー | 動作 | 推奨度 |
|---|---|---|
pairing |
未知の送信者にはペアリングコードを要求。承認した相手のみ応答 | ★★★(推奨) |
allowlist |
指定したユーザー / チャンネルのみ応答 | ★★☆ |
open |
全員に応答。認証なし | 非推奨 |
⚠️ open ポリシーは絶対に避ける
dmPolicy="open"に設定すると、誰でも OpenClaw にメッセージを送信できてしまう- 悪意のある第三者にエージェントを操作されるリスクがある。必ず
pairing(デフォルト)を維持しよう
ツール権限の確認
ツール開放範囲(tool blast radius)の確認には、openclaw security audit コマンドが公式に用意されている。設定変更後やネットワーク公開前には必ず実行しよう。
# セキュリティ監査の実行
openclaw security audit
# ライブのゲートウェイに対して詳細プローブを行う
openclaw security audit --deep
# 安全な修正を自動適用(open ポリシーの絞り込み、ログのマスキング、パーミッション修正など)
openclaw security audit --fix
このコマンドは、DM/グループポリシーの公開範囲、exec・ファイル操作系ツールがサンドボックス制約なしで有効になっていないか、ゲートウェイのバインドアドレスや認証トークンの強度、プラグインの許可リストなど、ツールの影響範囲全体をまとめてチェックしてくれる。web_search / web_fetch / browser のようなツールは、ツール有効エージェントで使わないなら無効のままにしておくのが公式推奨だ。
セキュリティ設定の詳細については、OpenClaw のセキュリティガイドで網羅的に解説している。
関連記事
- 👉 OpenClaw のインストール方法【macOS・Linux・Windows対応 2026年最新】
- 👉 OpenClawは危険?安全に使うための設定と運用ガイド【2026年最新】
- 👉 OpenClaw で日々のタスクを自動化|SOUL.md ひとつで AI の動きが変わる設定入門【2026年】
- 👉 MCP vs CLI|AIエージェントの外部ツール連携を徹底比較
- 👉 AIエージェントとは?できることとおすすめ基本ツール
- 👉 業務をAIで自動化するおすすめツール4選
よくある質問(FAQ)
まとめ
OpenClaw 設定は「API キー → onboard → チャンネル接続 → エージェント構築 → コマンド習得 → セキュリティ確認」の 6 ステップ
インストールしただけでは何も起きない OpenClaw だが、この記事の手順に沿えば 1 時間もかからずに使い始められる。筆者のおすすめは、まず Slack に接続してエージェントを 1 つ作ってみること。小さく始めて、慣れてきたら機能を拡張していこう。セキュリティ設定だけは最初から openclaw doctor で確認することをお忘れなく。
著者
krona23
IT業界20年以上の実務経験を持ち、日本国内有数のPVを誇る大規模Webサービスで事業部長・CTOを複数社で歴任。Windows/iOS/Android/Webと技術の変遷を経験し、現在はAIネイティブへの変革に注力。DevGENTでは、AIコードエディタ・自動化ツール・LLMの実践的な使い方を日英西3言語で発信中。











コメントを残す