同じ ChatGPT アカウントでも、会話のメッセージと Codex のリポジトリ任務は完全に別の単位として扱われます。ChatGPT Work は公式に Codex と同じ usage を共有します。調査や方針比較まで含めて全部 Codex に投げると、実装とレビューに使えるエージェント枠が先に尽きてしまいます。
📑目次
開発現場の技術判断としては、説明が欲しい作業は会話のまま残し、リポジトリを実際に変える作業だけを Codex に渡す方が、使用枠を守りやすいです。OpenAI の公式 Help と Learn の価格ページは、Chat / Work / Codex のそれぞれの役割と共有上限を明確に分けています。独立した比較記事も、会話を計画立案に使い、差分作成・テスト・PR 作成だけを委任する運用を推奨しています。
この記事では、次の順で整理します。
- 公式の面分け
- 共有 5 時間窓とプラン天井
- GitHub の
@codex review手順 - 今すぐ Codex に渡すかの判断表
読み終えたあとで、「何を Chat に残すか」「いつ GitHub へ委任するか」「マージ前に何を見るか」を決められます。
Chat・Work・Codexを公式定義で分ける
結論から言うと、「説明が欲しい作業」は Chat、「完成物が欲しい作業」は Work、「リポジトリを変えたい作業」は Codex です。同じデスクトップ環境でも、最初に選ぶ画面を間違えると、消費する使用枠も必要な権限も大きく変わります。
公式Helpが分ける3面
OpenAI Help の ChatGPT Work and Codex(2026年8月18日取得)は、3面を次のように分けています。
- Chat: 質問、検索、短い下書き。マシン上の変更は前提にしない
- Work: 文書、表、スライド、Site など成果物向きの長時間タスク。web / mobile はクラウド実行で、デスクトップではローカルファイルも扱える
- Codex: コード作成、デバッグ、テスト、差分レビュー、リポジトリ作業。デスクトップでは別ビューになり、web / mobile では選択できない
モバイルの Remote からデスクトップの Codex チャットには入れますが、その会話履歴は web 版や mobile 版には反映されません。
Learn索引と製品UIの置き方
ChatGPT Learn の索引も、次を別エントリとして並べています。
- Get started with Work
- Skills & Plugins
- Codex CLI / IDE / cloud
製品 UI には GPT-5.6 Sol Extra High が表示されます。教育向けプラグインや Computer History は、Work と Codex の両方に載る、と公式の What’s new が書いています。会話専用の機能として扱わない方が安全です。
独立ソースの単位の切り方
独立ソースも同じ切り方です。
- Aivy(Monika Tantau、2026年8月10日検証): 単位を「メッセージ」対「リポジトリ任務」と分ける。分析でマシンを変えないなら Chat、リポジトリを読み差分を書きテストを回すなら Codex
- LatchLoop: Chat / Work / Codex を同一ファミリとする。Work はアプリ・ファイル・プラグイン、Codex は GitHub・worktree・diff / test
- Emplex: 横で操作する補完ツールではなく委任先。ゼロから画面を作るビルダー(Lovable や Bolt)とは役割が違う
同期しない履歴と権限
制限も公式にあります。
- クラウド Work は web / mobile / desktop で同期する
- ローカル開始のチャットはその端末に留まる
- Codex 履歴は ChatGPT 履歴と別である
- ワークスペース権限は Work Cloud / Work Local / Codex Local で分かれる
- Chat の開始モデルと Work & Codex の開始モデルも別である
デスクトップ統合の画面配置は、ChatGPT Workとは?Codex統合デスクトップで変わる長時間エージェント運用 でも整理しています。
読者にとっての含意はシンプルです。説明や比較が必要な部分は Chat に残し、完成資料の作成は Work、ソースコードの変更は Codex に限定してください。面を混在させたまま進めると、後から履歴も権限も追えなくなります。
会話枠とエージェント枠を分けてCodexを温存する
Work で資料を作成する作業も、Codex で PR を書く作業も、同じエージェント枠を消費します。会話で何度も往復して方針を固めてから任務を渡した方が、実装に使える枠を多く残せます。
WorkとCodexが共有するusage
公式の根拠は明確です。Help ページには「Work は Codex と同じ usage 構造を持つ」と明記されており、Voice で開始したタスクも同じ agentic pool を使用すると注記されています。
Learn の価格ページ(2026年8月18日取得)は一文で「ChatGPT Work and Codex share usage.」と書いています。
Plusの5時間窓とプラン天井
個人プランの形状は次のとおりです。
- Free $0
- Go $8
- Plus $20
- Pro は $100 から(Plus 比 5x または 20x)
Plus の 5 時間窓は local messages と cloud chats が共有されます。例示レンジは次です。
- GPT-5.6 Sol 10–100
- Terra 25–200
- Luna 250–2,000
- 追加の週次上限があり得る
似た作業でも、利用するモデル、文脈の長さ、reasoning の量、tool use の有無によって消費量は大きく変わります。固定された通数だけを保証値として扱わないでください。
独立ソースが見る天井
独立ソースは、この天井を運用問題として扱っています。
- daily.dev(Carlos Mendoza、2026年8月8日): Codex Plus が ChatGPT Plus に同梱される一方、5 時間キャップが長時間セッションを止める
- daily.dev は日常的にエージェントへ委任するなら Pro を推奨し、Codex は非同期の実装 / PR ワーカーとして切れ、と評価
- Aivy: 全プランに usage limits がある。Free / Go は Limited、Plus は Expanded、Pro は Maximum tasks
ドル表記は取得時点のスナップショットです。Aivy 側の表は公式 Learn と数値がずれているので、採用前は公式価格ページを再確認してください。
調査はChat、実装はCodexへ残す
日本語の公開メモも工程分割を具体化しています。スナガク(@suna_gaku、2026年8月17日)は、Chat は ChatGPT 側のモデル制限、Work / Codex はエージェント枠、と分けています。
- 調査、計画、Issue 文、途中レビューは Chat と GitHub プラグインへ残す
- 実装と最終確認は Codex へ渡す
- 大きなリポジトリ調査を Codex に投げると入力トークンが実装枠を食う
- Chat で詰めた会話は、Codex の
@メニュー「ChatGPT の会話」から Context として渡せる - 対象は
PR #123だけでなくowner/repositoryか URL まで指定し、誤ったリポジトリへの操作を避ける
テクノロジー運用で今すぐ使える手順は次の3点です。
- 大きなリポジトリ調査を Codex に投げない
- 変更方針が固まるまで Chat に残す
- 変更範囲、触らないもの、検証方法を書いてから Codex へ渡す
巨大リポジトリで探索コストが気になる場合は、Codexのコード探索をBM25前段にしてトークンを抑える設計 もあわせて見てください。エージェント枠を資料作りや探索で使い切らないことが、この節の実務判断です。
Chat・Work・Codexの枠比較
| 面 | 主な単位 | 消費しやすい枠 | 向く作業 | 避けたい使い方 |
|---|---|---|---|---|
| Chat | メッセージ | ChatGPT のモデル制限 | 調査、下書き、Issue 文、方針比較 | ソースを直接書き換えさせる |
| Work | 成果タスク | Codex と同じエージェント枠 | 資料、表、定期更新、プラグイン作業 | 実装枠を資料作りで使い切る |
| Codex | リポジトリ任務 | 同じエージェント枠(5時間窓) | 差分、テスト、PR、@codex review |
未整理の巨大調査を丸投げする |
出典:
- OpenAI Help
- Learn 価格
- Aivy
- daily.dev
- スナガク(2026年8月時点)
GitHubへ委任する手順とレビュー境界
GitHub へ渡す作業は、クラウド設定とレビュー権限を先に固定してから始めてください。コメント1発で全部任せる前提にはしない方が安全です。
Learn の GitHub ドキュメント(2026年8月18日取得)は、手順を次の順で書いています。
- 対象リポジトリで Codex cloud を設定する
- Code review 設定 をオンにする(GitHub の push または admin 権限が必要)
- 手動依頼は PR コメントで
@codex review。👀 の反応のあと、P0 / P1 中心のレビューが投稿される - Automatic reviews をオンにすると、レビュー依頼された新規 PR にコメントなしで投稿される
- 修正依頼は
@codex fix the P1 issue。権限があればブランチへ push しうる review以外の@codex …は、その PR を文脈にした cloud chat になる(例:@codex fix the CI failures)
リポジトリ案内とレビュー範囲
リポジトリ固有の案内は、変更ファイルに近い AGENTS.md に ## Code Review Rules を置きます。
- ルートの案内と近いファイルの案内を併用できる
- 機械的な lint は CI に残す
- 焦点を絞るなら
@codex review for issues in the database migrationのように範囲を書く - Security Review(research preview)は
@codex security review - 通常の Code Review と所見が重なる場合がある
人が見る境界
公式の注意ははっきりしています。
- review rules はテスト、ブランチ保護、必須承認の代替ではない
- Emplex も、スコープ付きブリーフを先に書き、マージ前に必ず人が差分を見る、と書く
- 意図の誤解は長時間の自律実行で増幅する
- GenAI PM の集約(2026年8月16日更新)でも、GitHub PR レビューエージェントは CI 後のリスク採点や通知まで含めて「実行スタック」側の話として追跡されている。会話枠の延長ではない
委任前に書く最小項目は次です。
- 変更するパスと、触らないパス
- 期待するテストまたは再現手順
- マージ前に人が見る観点(権限、秘密情報、破壊的移行)
- 対象リポジトリの owner / name または URL
レビューコメントを承認ボタンの代わりにしないでください。P0 / P1 以外は GitHub 上でフラグされない、という公式仕様も前提に入れてください。脆弱性スキャン自体を別経路で回す場合は、OpenAI Codex Security — 脆弱性スキャン CLI / TypeScript SDK を GitHub 公開(Apache-2.0) が補助になります。
今すぐCodexに渡すかの判断基準
方針が文章になっていない任務は、まだ Codex に渡さない方が枠を守れます。渡す条件は「差分の範囲」と「検証方法」が書けていることです。
次のチェックリストで判定してください。1つでも空なら Chat に戻します。
- 欲しい成果は会話文ではなく、リポジトリの差分または PR である
- 変更範囲と、触らない範囲を1段落で書けている
- 検証方法(テスト、再現手順、目視項目)がある
- 大きな調査や方針比較は、すでに Chat 側で終わっている
- Work の資料作成で、同じエージェント枠を先に使い切っていない
- 対象リポジトリを owner / name または URL で特定できる
- マージ前に人が見る項目が決まっている
判断に迷う典型例は次です。
- API 設計の比較は Chat
- スライドや週次表は Work
- 失敗テストを通す修正、型エラーの局所修正、レビュー依頼済み PR の
@codex reviewは Codex - リポジトリ全体の「まず読んで」は Codex に置かない。入力トークンが実装枠を先に削る
第三者の料金比較表や「何通まで」という具体的な数字は、採用判断の確定値ではありません。公式価格ページには、モデルや tool use の内容によって消費量が変わると記載されています。
daily.dev が勧める Pro への上げも、長時間セッションを毎日回す前提の評価です。週に数本の小さな PR なら、Plus の 5 時間窓を意識して任務を短く切る方が先です。
テクノロジー選択として重要なのは、新しいモデル名より枠の持ち主です。会話で方針を固め、GitHub へ委任し、差分を人が見てからマージする。この順を守ると、エージェント枠は実装と最終レビューに残ります。
関連記事:
- Codexのコード探索をBM25前段にしてトークンを抑える設計
- OpenAI Codex Security — 脆弱性スキャン CLI / TypeScript SDK を GitHub 公開(Apache-2.0)
- GPT-5.6 × Codex 自己最適化 — serving コスト20%減・投機デコード15%+・agent harness 効率化(公式 7/29)
よくある質問
枠とプラン
レビューと画面
調査と実装を混ぜるべきか
次に決めること
次の1任務だけを選んでください。方針文が無いなら Chat で1段落書いてから止めます。差分範囲が書けているなら、GitHub 設定を確認して @codex review か実装任務を1件だけ渡します。マージ前に、権限、秘密情報、破壊的移行の3点を人が見てください。
料金や通数の第三者表は、この記事の調査日時点のスナップショットです。プラン変更の前に 公式の価格ページ を開いてください。
著者
krona23
IT業界20年以上の実務経験を持ち、日本国内有数のPVを誇る大規模Webサービスで事業部長・CTOを複数社で歴任。Windows/iOS/Android/Webと技術の変遷を経験し、現在はAIネイティブへの変革に注力。DevGENTでは、AIコードエディタ・自動化ツール・LLMの実践的な使い方を日英西3言語で発信中。












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