同じ ChatGPT アカウントでも、会話のメッセージと Codex のリポジトリ任務は完全に別の単位として扱われます。ChatGPT Work は公式に Codex と同じ usage を共有します。調査や方針比較まで含めて全部 Codex に投げると、実装とレビューに使えるエージェント枠が先に尽きてしまいます。

📑目次
  1. Chat・Work・Codexを公式定義で分ける
  2. 会話枠とエージェント枠を分けてCodexを温存する
  3. GitHubへ委任する手順とレビュー境界
  4. 今すぐCodexに渡すかの判断基準
  5. よくある質問
  6. 次に決めること

開発現場の技術判断としては、説明が欲しい作業は会話のまま残し、リポジトリを実際に変える作業だけを Codex に渡す方が、使用枠を守りやすいです。OpenAI の公式 Help と Learn の価格ページは、Chat / Work / Codex のそれぞれの役割と共有上限を明確に分けています。独立した比較記事も、会話を計画立案に使い、差分作成・テスト・PR 作成だけを委任する運用を推奨しています。

この記事では、次の順で整理します。

  • 公式の面分け
  • 共有 5 時間窓とプラン天井
  • GitHub の @codex review 手順
  • 今すぐ Codex に渡すかの判断表

読み終えたあとで、「何を Chat に残すか」「いつ GitHub へ委任するか」「マージ前に何を見るか」を決められます。


Chat・Work・Codexを公式定義で分ける

結論から言うと、「説明が欲しい作業」は Chat、「完成物が欲しい作業」は Work、「リポジトリを変えたい作業」は Codex です。同じデスクトップ環境でも、最初に選ぶ画面を間違えると、消費する使用枠も必要な権限も大きく変わります。

公式Helpが分ける3面

OpenAI Help の ChatGPT Work and Codex(2026年8月18日取得)は、3面を次のように分けています。

  • Chat: 質問、検索、短い下書き。マシン上の変更は前提にしない
  • Work: 文書、表、スライド、Site など成果物向きの長時間タスク。web / mobile はクラウド実行で、デスクトップではローカルファイルも扱える
  • Codex: コード作成、デバッグ、テスト、差分レビュー、リポジトリ作業。デスクトップでは別ビューになり、web / mobile では選択できない

モバイルの Remote からデスクトップの Codex チャットには入れますが、その会話履歴は web 版や mobile 版には反映されません。


Learn索引と製品UIの置き方

ChatGPT Learn の索引も、次を別エントリとして並べています。

  • Get started with Work
  • Skills & Plugins
  • Codex CLI / IDE / cloud

製品 UI には GPT-5.6 Sol Extra High が表示されます。教育向けプラグインや Computer History は、Work と Codex の両方に載る、と公式の What’s new が書いています。会話専用の機能として扱わない方が安全です。


独立ソースの単位の切り方

独立ソースも同じ切り方です。

  • Aivy(Monika Tantau、2026年8月10日検証): 単位を「メッセージ」対「リポジトリ任務」と分ける。分析でマシンを変えないなら Chat、リポジトリを読み差分を書きテストを回すなら Codex
  • LatchLoop: Chat / Work / Codex を同一ファミリとする。Work はアプリ・ファイル・プラグイン、Codex は GitHub・worktree・diff / test
  • Emplex: 横で操作する補完ツールではなく委任先。ゼロから画面を作るビルダー(Lovable や Bolt)とは役割が違う

同期しない履歴と権限

制限も公式にあります。

  • クラウド Work は web / mobile / desktop で同期する
  • ローカル開始のチャットはその端末に留まる
  • Codex 履歴は ChatGPT 履歴と別である
  • ワークスペース権限は Work Cloud / Work Local / Codex Local で分かれる
  • Chat の開始モデルと Work & Codex の開始モデルも別である

デスクトップ統合の画面配置は、ChatGPT Workとは?Codex統合デスクトップで変わる長時間エージェント運用 でも整理しています。

読者にとっての含意はシンプルです。説明や比較が必要な部分は Chat に残し、完成資料の作成は Work、ソースコードの変更は Codex に限定してください。面を混在させたまま進めると、後から履歴も権限も追えなくなります。


会話枠とエージェント枠を分けてCodexを温存する

Work で資料を作成する作業も、Codex で PR を書く作業も、同じエージェント枠を消費します。会話で何度も往復して方針を固めてから任務を渡した方が、実装に使える枠を多く残せます。

WorkとCodexが共有するusage

公式の根拠は明確です。Help ページには「Work は Codex と同じ usage 構造を持つ」と明記されており、Voice で開始したタスクも同じ agentic pool を使用すると注記されています。

Learn の価格ページ(2026年8月18日取得)は一文で「ChatGPT Work and Codex share usage.」と書いています。


Plusの5時間窓とプラン天井

個人プランの形状は次のとおりです。

  • Free $0
  • Go $8
  • Plus $20
  • Pro は $100 から(Plus 比 5x または 20x)

Plus の 5 時間窓は local messages と cloud chats が共有されます。例示レンジは次です。

  • GPT-5.6 Sol 10–100
  • Terra 25–200
  • Luna 250–2,000
  • 追加の週次上限があり得る

似た作業でも、利用するモデル、文脈の長さ、reasoning の量、tool use の有無によって消費量は大きく変わります。固定された通数だけを保証値として扱わないでください。


独立ソースが見る天井

独立ソースは、この天井を運用問題として扱っています。

  • daily.dev(Carlos Mendoza、2026年8月8日): Codex Plus が ChatGPT Plus に同梱される一方、5 時間キャップが長時間セッションを止める
  • daily.dev は日常的にエージェントへ委任するなら Pro を推奨し、Codex は非同期の実装 / PR ワーカーとして切れ、と評価
  • Aivy: 全プランに usage limits がある。Free / Go は Limited、Plus は Expanded、Pro は Maximum tasks

ドル表記は取得時点のスナップショットです。Aivy 側の表は公式 Learn と数値がずれているので、採用前は公式価格ページを再確認してください。


調査はChat、実装はCodexへ残す

日本語の公開メモも工程分割を具体化しています。スナガク(@suna_gaku、2026年8月17日)は、Chat は ChatGPT 側のモデル制限、Work / Codex はエージェント枠、と分けています。

  • 調査、計画、Issue 文、途中レビューは Chat と GitHub プラグインへ残す
  • 実装と最終確認は Codex へ渡す
  • 大きなリポジトリ調査を Codex に投げると入力トークンが実装枠を食う
  • Chat で詰めた会話は、Codex の @ メニュー「ChatGPT の会話」から Context として渡せる
  • 対象は PR #123 だけでなく owner/repository か URL まで指定し、誤ったリポジトリへの操作を避ける

テクノロジー運用で今すぐ使える手順は次の3点です。

  1. 大きなリポジトリ調査を Codex に投げない
  2. 変更方針が固まるまで Chat に残す
  3. 変更範囲、触らないもの、検証方法を書いてから Codex へ渡す

巨大リポジトリで探索コストが気になる場合は、Codexのコード探索をBM25前段にしてトークンを抑える設計 もあわせて見てください。エージェント枠を資料作りや探索で使い切らないことが、この節の実務判断です。


Chat・Work・Codexの枠比較

面 主な単位 消費しやすい枠 向く作業 避けたい使い方
Chat メッセージ ChatGPT のモデル制限 調査、下書き、Issue 文、方針比較 ソースを直接書き換えさせる
Work 成果タスク Codex と同じエージェント枠 資料、表、定期更新、プラグイン作業 実装枠を資料作りで使い切る
Codex リポジトリ任務 同じエージェント枠(5時間窓) 差分、テスト、PR、@codex review 未整理の巨大調査を丸投げする

出典:


GitHubへ委任する手順とレビュー境界

GitHub へ渡す作業は、クラウド設定とレビュー権限を先に固定してから始めてください。コメント1発で全部任せる前提にはしない方が安全です。

Learn の GitHub ドキュメント(2026年8月18日取得)は、手順を次の順で書いています。

  1. 対象リポジトリで Codex cloud を設定する
  2. Code review 設定 をオンにする(GitHub の push または admin 権限が必要)
  3. 手動依頼は PR コメントで @codex review。👀 の反応のあと、P0 / P1 中心のレビューが投稿される
  4. Automatic reviews をオンにすると、レビュー依頼された新規 PR にコメントなしで投稿される
  5. 修正依頼は @codex fix the P1 issue。権限があればブランチへ push しうる
  6. review 以外の @codex … は、その PR を文脈にした cloud chat になる(例: @codex fix the CI failures)

リポジトリ案内とレビュー範囲

リポジトリ固有の案内は、変更ファイルに近い AGENTS.md に ## Code Review Rules を置きます。

  • ルートの案内と近いファイルの案内を併用できる
  • 機械的な lint は CI に残す
  • 焦点を絞るなら @codex review for issues in the database migration のように範囲を書く
  • Security Review(research preview)は @codex security review
  • 通常の Code Review と所見が重なる場合がある

人が見る境界

公式の注意ははっきりしています。

  • review rules はテスト、ブランチ保護、必須承認の代替ではない
  • Emplex も、スコープ付きブリーフを先に書き、マージ前に必ず人が差分を見る、と書く
  • 意図の誤解は長時間の自律実行で増幅する
  • GenAI PM の集約(2026年8月16日更新)でも、GitHub PR レビューエージェントは CI 後のリスク採点や通知まで含めて「実行スタック」側の話として追跡されている。会話枠の延長ではない

委任前に書く最小項目は次です。

  • 変更するパスと、触らないパス
  • 期待するテストまたは再現手順
  • マージ前に人が見る観点(権限、秘密情報、破壊的移行)
  • 対象リポジトリの owner / name または URL

レビューコメントを承認ボタンの代わりにしないでください。P0 / P1 以外は GitHub 上でフラグされない、という公式仕様も前提に入れてください。脆弱性スキャン自体を別経路で回す場合は、OpenAI Codex Security — 脆弱性スキャン CLI / TypeScript SDK を GitHub 公開(Apache-2.0) が補助になります。


今すぐCodexに渡すかの判断基準

方針が文章になっていない任務は、まだ Codex に渡さない方が枠を守れます。渡す条件は「差分の範囲」と「検証方法」が書けていることです。

次のチェックリストで判定してください。1つでも空なら Chat に戻します。

  • 欲しい成果は会話文ではなく、リポジトリの差分または PR である
  • 変更範囲と、触らない範囲を1段落で書けている
  • 検証方法(テスト、再現手順、目視項目)がある
  • 大きな調査や方針比較は、すでに Chat 側で終わっている
  • Work の資料作成で、同じエージェント枠を先に使い切っていない
  • 対象リポジトリを owner / name または URL で特定できる
  • マージ前に人が見る項目が決まっている

判断に迷う典型例は次です。

  • API 設計の比較は Chat
  • スライドや週次表は Work
  • 失敗テストを通す修正、型エラーの局所修正、レビュー依頼済み PR の @codex review は Codex
  • リポジトリ全体の「まず読んで」は Codex に置かない。入力トークンが実装枠を先に削る

第三者の料金比較表や「何通まで」という具体的な数字は、採用判断の確定値ではありません。公式価格ページには、モデルや tool use の内容によって消費量が変わると記載されています。

daily.dev が勧める Pro への上げも、長時間セッションを毎日回す前提の評価です。週に数本の小さな PR なら、Plus の 5 時間窓を意識して任務を短く切る方が先です。

テクノロジー選択として重要なのは、新しいモデル名より枠の持ち主です。会話で方針を固め、GitHub へ委任し、差分を人が見てからマージする。この順を守ると、エージェント枠は実装と最終レビューに残ります。


関連記事:

よくある質問

枠とプラン

Q. ChatGPT の会話と Codex は同じ上限ですか。

A. いいえ。Help と Learn 価格は、Chat と Work / Codex を分けています。Work と Codex は同じ usage を共有します。Voice 起点のタスクも同じ agentic pool です。

Q. Plus のままで毎日 Codex に委任できますか。

A. 短い任務なら可能です。ただし Plus の 5 時間窓は local と cloud で共有され、長時間セッションは止まり得ます。daily.dev は日常エージェント利用に Pro を推奨しています。採用前に公式価格を再確認してください。


レビューと画面

Q. @codex review は必須レビューの代わりになりますか。

A. なりません。公式は P0 / P1 中心の通常レビューであり、テストやブランチ保護、必須承認の代替ではない、と書いています。人が差分を見てからマージしてください。

Q. web やスマホから Codex を選べますか。

A. 公式 Help では選べません。モバイルは Remote 経由でデスクトップ Codex チャットへ入れますが、履歴は web / mobile 側に入りません。クラウド Work の同期とは別です。


調査と実装を混ぜるべきか

Q. 調査も実装も同じチャットで完結した方が速いですか。

A. 体感の速さより枠の減り方が先に来ます。巨大調査を Codex に置くと入力トークンが実装枠を食います。計画は Chat、差分は Codex、に分けた方が残り枠を守れます。


次に決めること

次の1任務だけを選んでください。方針文が無いなら Chat で1段落書いてから止めます。差分範囲が書けているなら、GitHub 設定を確認して @codex review か実装任務を1件だけ渡します。マージ前に、権限、秘密情報、破壊的移行の3点を人が見てください。

料金や通数の第三者表は、この記事の調査日時点のスナップショットです。プラン変更の前に 公式の価格ページ を開いてください。

krona23

著者

krona23

IT業界20年以上の実務経験を持ち、日本国内有数のPVを誇る大規模Webサービスで事業部長・CTOを複数社で歴任。Windows/iOS/Android/Webと技術の変遷を経験し、現在はAIネイティブへの変革に注力。DevGENTでは、AIコードエディタ・自動化ツール・LLMの実践的な使い方を日英西3言語で発信中。

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