T3MP3STは、既存のAIコーディングエージェントをレッドチーム向けの自動化フレームワークに変換するオープンソースプロジェクトです。Pliny the LiberatorがAGPL-3.0ライセンスで公開したこのツールは、reconからexploit、reportまでのキルチェーンを1つのWar Room UIで完結させます。CTFやCVE検証での実績が公開されており、セキュリティ研究者向けの新選択肢として注目されています。

📑目次
  1. T3MP3STの概要と背景
  2. キルチェーンと8オペレーターアーキテクチャ
  3. ベンチマーク結果と再現性検証
  4. インストール・War Roomの使い方
  5. 対応ドメインとステータス
  6. 利用上の注意点と認可要件
  7. よくある質問(FAQ)
  8. まとめと読者が次に取るべきアクション

T3MP3STの概要と背景

T3MP3STは、Claude CodeやCodexなどの既存エージェントを「ハックボットスウォーム」として再利用するためのフレームワークです。開発者は「誰でもゼロデイハンターになれる」と位置づけ、公式GitHubリポジトリでソースコードとベンチマーク結果を公開しています。

主な特徴は以下の通りです。

  • ユーザーの既存エージェントをそのまま活用(追加APIキー不要)
  • フルキルチェーン自動化(recon → exploit → report)
  • War Room UIによるリアルタイム操作
  • Evidence Vaultによる証拠管理とOPSEC機能

公式リポジトリのREADMEによると、T3MP3STはローカルモデル(Ollamaなど)にも対応し、クラウドコストを抑えつつ大規模検証を可能にします。Xの発表ポストでも、XBOWやCybenchでの高スコアが共有されています。


キルチェーンと8オペレーターアーキテクチャ

T3MP3STの核心は8つのオペレーターが連携するセル構造にあります。各オペレーターは独立した役割を持ち、Evidence VaultとOPSECレイヤーを通じて協調動作します。

オペレーター 役割 ステータス
Recon ターゲット調査・情報収集 Stable
Scanner 脆弱性スキャン Stable
Exploiter 攻撃実行 Experimental
Infiltrator 侵入・権限昇格 Experimental
Exfiltrator データ持ち出し Experimental
Ghost 痕跡隠蔽 Planned
Coordinator タスク調整 Stable
Analyst レポート生成 Stable

このテーブルは公式READMEのステータス表に基づきます。ReconとCoordinatorは安定版として利用可能ですが、Exploiter以降のモジュールは実験段階である点に注意が必要です。出典: https://github.com/elder-plinius/T3MP3ST(2026年7月時点)


ベンチマーク結果と再現性検証

公式リポジトリでは、以下のベンチマーク結果が公開されています。

  • XBEN(104課題スイート): 90.1% pass@1(Wilson-95区間 86.2–92.9)
  • Cybench(40タスク、ヒントなし): 23/40(58%) with Opus 4.8
  • CVE-Zero(2026年以降の10 CVE、7言語): single-agentで8/10 exact match

これらの数値は npm run verify-claims コマンドで再現可能です。リポジトリにコミットされたJSONアーティファクトから全24件の主張が検証済みであることが確認されています。再現性を重視する研究者にとって、コミット済み証拠は大きな利点です。


インストール・War Roomの使い方

インストール手順はシンプルです。

  1. リポジトリをクローン
  2. npm install && npm run server を実行
  3. ブラウザで http://127.0.0.1:3333/ui/ にアクセス

War Room UIにローカルエージェントを接続すると、ミッション作成から実行、レポート生成までをGUIで操作できます。キーレスモードでは外部APIを介さず、ローカルモデルだけで動作します。


対応ドメインとステータス

T3MP3STはWeb、CTF、CVE、Cloud、DeFi、Binary、Mobileなど複数のドメインに対応予定です。現在の安定機能はRecon、Mission engine、Arsenal(35+ツール)、Egress-scope containment、Coordinated-disclosure pipelineです。Cloud/Mobile/Binaryモジュールは実験的または計画段階にあります。


利用上の注意点と認可要件

T3MP3STは攻撃ツールであるため、明示的な許可を得たシステムでのみ使用してください。AGPL-3.0ライセンスの下で公開されていますが、無許可のターゲットへの使用は法的リスクを伴います。セキュリティポリシーやガバナンス担当者は、社内での利用可否を事前に確認する必要があります。


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よくある質問(FAQ)

Q: T3MP3STはClaude Code以外でも使えますか?

はい。Codex、Hermes、Ollama経由のローカルモデルなど、複数のエージェントに対応しています。War Roomに接続可能なエージェントであれば利用可能です。

Q: ベンチマークの数値は本当に再現できますか?

可能です。リポジトリの npm run verify-claims コマンドで、コミット済みJSONから全主張を再検証できます。24/24件が確認済みです。

Q: 無許可のターゲットに使っても大丈夫ですか?

いいえ。公式ドキュメントでも「explicit permissionを持つシステムのみ」と明記されています。無許可利用は法的・倫理的リスクを伴うため、避けてください。


T3MP3STは、既存のAIエージェントをレッドチーム用途に転用する実用的なフレームワークです。ベンチマークの再現性とWar Room UIの利便性が強みですが、攻撃ツールとしての性質上、利用には厳格な認可管理が求められます。

読者が次に取るべきアクションは以下の通りです。

  • 公式GitHub https://github.com/elder-plinius/T3MP3ST をクローンしてローカルで試す
  • npm run verify-claims でベンチマークを自分で再現する
  • 自社セキュリティポリシーとの適合性を確認する
  • 類似フレームワーク(Arborなど)と比較検討する

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著者

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IT業界20年以上の実務経験を持ち、日本国内有数のPVを誇る大規模Webサービスで事業部長・CTOを複数社で歴任。Windows/iOS/Android/Webと技術の変遷を経験し、現在はAIネイティブへの変革に注力。DevGENTでは、AIコードエディタ・自動化ツール・LLMの実践的な使い方を日英西3言語で発信中。

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